あおろぐ

人が生きると書いて人生。額面より可処分量。支え合いより与え合い。

虎は死して皮を留め、社員は辞めて想いを遺す【平社員の戯言】

f:id:aoo55:20171124092759j:plain

確か、アンディフグが亡くなった時の特番の中で知ったことわざ。何故かずっと自分の中に刻まれている。

 

kotowaza-allguide.com

 

社員が退職する理由というのは様々あると思う。

厚生労働省の雇用動向調査(H28年)によると、男性の退職理由は「給料が少ない」が多く、女性は「労働時間、休日などの条件」と「人間関係」が多い、という結果のようだ。

 

厚生労働省:雇用動向調査(H28)

 

 

 調査の数字上ではこのように出てくるのだが、実際に退職の意思を伝えられた時に、その理由を聞く会社はどれくらいあるのだろうか?

 

僕が社長に退職の意思を伝えた時には、その理由を聞かれなかった。退職という結論が重要であって、そこに至る経緯は問わないスタイルらしい。

しかし、僕は退職理由は確認しておいた方が良いと考えている。なぜならば、その原因を把握して潰さないと、別の退職者が現れる可能性があるからだ。人材の流出は会社の力を弱める。それを敢えてしないというのは、その人の退職によって生まれるあらゆる問題は、全て解決する覚悟を負っているということだ。それはワンマン経営だからこそできる対応である。

 

僕は、会社が嫌いになったわけではない。

人間関係で悩んでいたわけでもない。

仕事が苦痛だったわけでもない。

給料に不満を持っていたわけでもない。

家庭や家族親族の事情でもない。

事業を興そうというわけでもない。

 

僕が辞めることを知った他の社員は、その意味がわからなかっただろう。それくらい僕は「辞めるはずのない」社員だった。逆に「こんな会社辞めてやる!」のような人はわかりやすい。

 

僕が会社を辞める理由は、一言で言えば社長との想いのすれ違いだ。

 

自分が身を置く会社のトップに対して、なんとおこがましいことか。僕は社長に近づきすぎて、そして生意気になりすぎた。

社長のことを嫌いなわけではない。否定するつもりもない。僕は、ただわがままに、生き様を優先した。サラリーマンとしては「欠陥品」だ。しかし、「欠陥品」であることを誇りに思いたい。決してつよがりではなく。

 

そして、「辞めるはずのない」社員の退職を、一つの問題提起として遺したい。多くの時間を共にした仲間にはすべて伝えていく。もちろん社長にも。

社員が辞めることは、ただ労働生産性が失われるだけのことではない。むしろ業務なんてのは誰にでも、どんなようにでもできることだ。この世に絶対に必要なコトやヒトはない。

社員が辞める時に失われるのは、その社員の想い、その社員が創っていくはずだった『未来』だ。社長とすれ違ったいま、それを言うのは本当にただの戯言に過ぎないのだが、僕に限らず、これまで退職していった人、今後退職していく人、その人たちの想いをしっかりと受け止めた方が僕は良いと思う。だから退職理由をしっかりと確認することは大切だと思うのだ。

 

「クレームは神の声」で、それが顧客満足度に繋がるのならば、

「退職理由は神の声」で、それは社員満足度に繋げられる。

最後の会社への貢献を、無下にしてはならない。

僕のように、生意気に伝えていける人もいれば、そうでない人もいる。ちゃんと聴いて欲しい。すべては未来の価値に変えられる。

 

昨日、来春入社する新卒の子との懇親会を行った。僕が採用担当として採る、最後の新卒だ。その子には僕の退職のことは伝えてある。黙っておくことも、騙すこともできない。それでも彼は入社の意思を示してくれた。有難いことだ。

 

田舎の無名な会社だけど、ポテンシャルはある。

彼と、仲間たちの未来が可能性に満ち溢れるように、心からそう願っている。